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zoom RSS 健康情報のウソ・ホント〜その1〜

<<   作成日時 : 2009/02/06 02:06   >>

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私は今、仕事の関係で統計学を勉強しているのだが、
先日の講義では面白い話が出てきた。

それは「小学生の足の大きさと語い能力には強い相関がある」という話。
データをとると、明らかに生徒の足が大きくなるほど語い能力が高くなることを示しているのだ。

ではこの2つに因果関係はあるのか?・・・もちろん答えはノーだ。
単語を覚えられると足が大きくなるわけでもないし、その逆でもない。
6年生の足は1年生より大きいし、語い能力もはるかに優れているに決まっているのだ。
「年齢」という第3の変数が双方に加わったため、年齢が交絡要因として作用しているのである。

ここから言えるのは、データをとって、Aが大きいほどBが大きいからといって、AとBのすべてに因果関係があるわけではないということだ(擬似相関というらしい)。

「足の大きさと語い能力」という極端な例だからすぐに間違いに気づくのだが、私たちは因果関係を論じるときは注意しなければならないのである。相関関係イコール因果関係ではないこと。また、その他の要因がからんでいないか、ということに。

*  *  *
なぜこんな話をしたかというと、先日興味深い本を読んだからだ。
『ボケ、寝たきりが食事で防げた〜老人食常識には危険な間違いがいっぱい』(主婦と生活社)
著者は琉球大学医学部教授(当時)で百歳老人医療の権威、松崎俊久先生である。

「どんな食事を勧めているのかな〜?やはり塩分控えめの和食かな?」と思い読んでみてびっくり。
ま、ひと言で言えば「反マクロビ本」といっていいだろう。(笑)

ボケ(今は認知症といってますが)や寝たきりになる脳卒中の極めて少ないアメリカに比べ、日本人がかかるボケや寝たきりの半数以上が食生活が原因なので、予防できるという。

以下本からの内容を要約。
今の日本人が長寿になってきたのは、戦後の食生活の革命による。肉、牛乳、チーズ、バターなどの乳製品といった動物性たんぱく質の導入である。
明治ヒトケタから10年代生まれの一汁一菜程度の粗食老人たちの平均寿命は30〜35歳だった。
長寿の人たちのインタビューで「長寿の秘訣は?」などと聞かれるとたいていの老人は若い頃の食事を思い出し、「粗食」などという。
しかし実際粗食で通してきた老人のほとんどは早死に、百歳老人の45%が毎日牛乳を飲んでいるのだ。戦後柔軟に新しい食生活に適応できた人たちが長生きなのである。

アメリカ人の平均コレステロール値は250であり、日本人は180〜190。
日本ではコレステロール値をこれ以上下げる必要はない。
コレステロール値300もある人たちは心筋梗塞で死ぬ可能性が高まるが、150くらいの低い値もまた肺炎、脳卒中になりやすくなる。最も長生きなのはコレステロール値200〜220の範囲にいる人たちなのだ。

コレステロール値が高すぎるのはよくないことは誰でも知っているが、低コレステロールも危険だといっている。
低コレステロールでは丈夫な細胞膜が作られず、血管がもろくなるというのだ。
日本人老人はもっと動物性たんぱく質をとって脳卒中を予防すべきだと著者は言っている。

それはまあいいとして次にある追跡調査を見てぎょっとする。
それは菜食主義者の死亡率の高さに関するデータだ。

著者が行った老人の死亡率の高さに関する追跡調査では、4つのグループに分けた。
1)納豆や豆腐は食べるが肉・魚・乳製品などの動物性食品をいっさい食べない、完全な菜食主義者
2)菜食主義だが、牛乳・チーズといった乳製品、卵は食べるグループ
3)肉や魚を週に1〜2回食べるグループ
4)肉や魚を週に3〜4回食べるグループ

その結果、1)の菜食グループの死亡率がもっとも高く、70歳前後で次々に死亡している。
主な死因は脳卒中と肺炎。
ご飯中心による塩分と、たんぱく質不足で身体の抵抗力が衰えているという。
次が2)の乳製品、卵は食べるグループ、3位が3)、4位が週に3〜4回肉や魚を食べるグループだったという。

これを読んで、まあ子どもたちにゆるゆるのマクロビを実践している私としては、このような話を延々と読むうち、心配になってくる。
そう言われてみれば、マクロビの指導者って、写真を見るとあまり健康そうに見えないな。
頬がこけているししわも多い感じ。声にハリのない人もいるなあ。なんて思えてきてしまう。

*  *  *
世の中には健康情報が氾濫している。

「あるある!」の納豆事件を例にとるまでもなく、視聴者、読者は簡単に人のいうことをうのみにしてはいけない。
「本に書かれていること(人の言うこと)はいつも正しいとは限らない」という大前提のもと、自分の判断力をフルに活用して「ちょっと待って、それは本当?」と考えてみなければならないのだ。
この場合、何でも人の言うことを信じるのは、あまり美徳にはならないだろう。

ではどうやったらシロートがこういった「医師」や「教授」といった肩書きを持つ人たちに太刀打ちできるのだろうか。
私は、きちんと自分の目でデータを読むことだと思う。
そして、データの読み方を知っておくことだ。

*  *  *
上記の本の、たとえば老人を4グループに分けた寿命の調査などの話では、本書にデータが全く示されていない
何人に対して行ったのか、何歳くらいの差があったのか、そしてその差は統計学的に見ても意味のある数字なのか(それを測るための処理が行われているのか)。
食生活以外の要因(親の寿命、男女差、配偶者の有無、運動しているかどうか、持病をもっているかどうか、その他)はすべてそろえた上で出したデータなのか。あるいは数値として調整されているのか。それさえもわからない。

本文が数字の羅列になって読みにくくならないように、数字を省いたとしても、巻末に注をつけてデータを示すくらいの心遣いは欲しい
でなければこの部分はまったく信用できない。
この調査がデタラメだというのではない。
デタラメかどうかさえ判断がつかない書き方だということだ。それくらい曖昧なことしか書かれていないということなのである。

同じ老人グループを別の切り口で4つに分けたとしよう。
血液型だ。
4グループに分ければ必ず長生き1位のグループと最下位のグループが出てくる。
仮に1位がB型、最下位がA型だったとしよう。
この順位には何か意味があるだろうか?
B型はマイペースだから長生き、A型は神経質だから短命とか、まあそんな本を作ることができるだろう。

しかし統計学では、この差に意味があるかどうか(単なる偶然の域を出ないかどうか)を問題にする。
上の血液型分類はもちろん、「統計学的に意味のある差はなし」と出るはずだ。

生のデータで差が出るだけではダメなのだ。
まず結論ありきで、それにあてはまるデータだけをひっぱりだしてくれば、いとも簡単に人を言いくるめることができる。
(この著者が騙しているとは言ってません。そういったことが可能だと言っているのです)

つづく

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