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zoom RSS マクロビ論文Aマクロビで育った子どもたちの骨の状態についてその2

<<   作成日時 : 2009/05/05 10:43   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 0 / コメント 4

ふたつめにご紹介する論文は、やはり骨関連のものです。

Low bone mineral density and bone mineral content are associated with low cobalamin status in adolescents
(若者の低コバラミン状態は骨密度と骨ミネラル量の低下と関連がある)1)

(内容紹介)
コバラミン欠乏症はベジタリアンの間によく見られ、骨粗鬆症のリスクが高まることと関連があるとされている。
この研究は、幼少期にマクロビオティックな食事で育てられた若者と、同年代のそうでない食事で育てられた若者とを比較し、血中コバラミンと骨密度に差があるかを調べたものである。

二重エネルギーX線吸収測定法(DEXA)を用いて9歳〜15歳までのマクロビオティックで育った子どもたち73名の骨密度(BMD)と骨ミネラル量を測定した。

この子どもたちは6歳までマクロビオティックな食事で育ち、その後はラクトベジタリアン(乳製品は食べる)やなんでも食べる食事に切り替えている。
生まれてからずっとなんでも食べる食事で育ってきた94名の同年代の子どものデータを比較として用いた。
血中コバラミン濃度、メチルマロン酸濃度(MMA:ビタミンB12が不足することにより増えてくる)、ホモシステイン値(葉酸の欠乏により増える)を測定し、現在のカルシウム摂取状況を質問表により評価した。ビタミンB12とMMAの測定値、および骨密度と骨ミネラル量の低いグループと正常グループに共分散分析を行った。

<結果>
幼少期にマクロビオティックで育った子どもたちの血中コバラミン濃度は有意に低く(相乗平均で246 pmol/L vs. 469 pmol/L)、メチルマロン酸濃度は有意に高かった(0.27 μmol/L vs. 0.16 μmol/L)(後者が比較対照グループの値)。

また身長、体重、骨領域、体脂肪率、年齢、第二次性徴が始まっているか否か、(現在の)カルシウム摂取で調整を行った後の数字で比較したところ、血中メチルマロン酸濃度はマクロビオティックで育った子どもたちのグループで有意に高かった(相乗平均で0.27 μmol/L vs. 0.16 μmol/L) 。
また同様に調整を行った後の比較では、骨密度の低いグループの子どもたちの血中メチルマロン酸濃度が有意に高くなっていた(p = 0.0003) (正常な骨密度のグループに比べ)。また、ビタミンB12(=コバラミン)は骨密度や骨ミネラル量の低いグループで有意に低くなっていた(p = 0.0038) (骨密度や骨ミネラル量が正常なグループに比べ)。
マクロビオティックで育った子どもたちのグループに限定すると、血中メチルマロン酸濃度は骨密度の低いグループで、高いグループに比べ有意に高くなっていた。

<結論>
若者では、コバラミン欠乏の兆候は(血中メチルマロン酸濃度が高くなることによって判断できる)骨密度の低さと関連があった。
このことは特に幼少期にマクロビオティックで育った子どもたちについていえることである(マクロビオティックな食事にはコバラミン欠乏症が認められる)。

*  *  *

以上、前回と合わせてふたつの論文を紹介しました。

マクロビオティックで育った子どもたちの全員が全員、骨密度が低くなって晩年骨粗鬆症になると言っているわけではありません。
この調査グループの平均を言っているわけで、あくまでも「傾向として、そうなりやすい」ことを言っているわけです。

このことは逆に言えば、「完全マクロビで育った人で、背が高くて立派な骨をもった人がいるよ」という話があるからといって、マクロビが(牛乳を絶つことが)丈夫な骨を作ることの証明にはならないということでもあります。

牛乳や小魚を食べないマクロビの人たちは、意識して努めて別のカルシウム源となる食材からカルシウムを摂取するようにしなければならないということだと思います。
また、ビタミンB12の不足については、またの機会にご紹介したいと思います。

*  *  *
「牛乳をたくさん飲むスウェーデンでは骨粗鬆症が多い」といった情報は、たとえ「スウェーデンでは牛乳をたくさん飲む」ことと「スウェーデンでは骨粗鬆症が多い」というふたつのことが事実だったとしても(後者には疑いがありますが)、牛乳が骨に悪いことの説明にはなりません。

AはB、AはCだからBはC、という方法では因果関係は証明できないのです。
アメリカ人はガムを噛む人が統計的に多い、アメリカ人は統計的に世界でも平均身長が高い、だからガムを噛めば背が高くなる、と結論づけるのと本質的には同じことだからです。

まずスウェーデンが長寿国だということ(お年寄りが増えれば当然骨粗鬆症も増える)、日光が弱い国であることなど、いろいろな要因がからんでいることも考えられるため、比較するなら同じスウェーデンに住む人同士を、年齢、性別、運動量、身長、体重その他の要因を調整した上で比較しなければならないのです。

1)R. A. M. Dhonukshe-Rutten, M. van Dusseldorp, J. Schneede, L. C. P. G. M. de Groot and W. A. van Staveren. Low bone mineral density and bone mineral content are associated with low cobalamin status in adolescents. European Journal of Nutrition Vol 44, No.6, 341-347. 2005

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
不思議です。
紹介されている論文を見る限り、至極もっともな事だと納得する一方、著明なマクロビアンの子供たちは、すくすくと立派に成長している。
調べていない(病院に行かない)からだとも言えるかもしれないし、何とも。
人間の身体は不思議が詰まっているので、個体差が激しいのかもしれないけど、一般的に考えてみれば、論文の統計は合っているようですね。
娘はゆるゆるマクロビな私の母乳を、未だに栄養源かつ精神安定剤に使っているので、成長の遅れはさほどみられません。というか、身体については丈夫だと言われるくらい。身長体重は、成長曲線のど真ん中です。それで安心してマクロビ(?)続けていますが、
様子を良く見て注意する事が必要ですね。
またまたシュタイナーの先生の引用ですが、
「物質が全てではないから、コーヒーなんて毒を飲んでも平気だ」
かなり突飛ですが、結局そういうことなのかも知れません。
だって、がりがりで今にも折れそうな身体の60代の婦人が、以前勤めていた病院で直径60cmくらいの大鍋を、中の具をかえすために振ってましたもん。
いつも忙しい人でした。
人間の身体って不思議です。

2009/08/14 20:50
人間の身体って、確かに一筋縄ではいきませんね。
医者が首を傾げる、といった出来事は、確かに存在しますし。

考えてみれば、うちの娘だって染色体が1本多いのに、ちゃんと生まれてこれたこと、そして今風邪もひかずにこんなに元気でいること自体不思議なことです。
娘が通っている障害児の施設でも、生まれたときこの子は一生笑わないだろうとか、植物人間になるだろうと言われた子たちが、よく笑うようになり、元気に(成長は遅れていても)泣いたり起こったり笑ったりしています。
左耳が聴こえなくなれば、右耳がそれをカバーするようになります。
脳がほとんど死んでいても、残っている部分の脳がそれをカバーしようとして発達します。
それを思うと本当に、人間の身体は不思議です。

人間が将来どうなるのかは、人間にはわかりません。
健康なら長生きできるというものでもありませんし。
そもそもそういったものを人間がコントロールしようとすることが間違いなのかもしれません。

私は、マクロビに走っているお母さんたちに、こういう知見もあるのだということを見てもらえたらという思いもあって、論文を紹介しています。
要は、迷ってもらうためなのです。(笑)
迷いのない子育ては、危険だと思いませんか。

著名なマクロビアンの方たちが、本当に子どもを厳格なマクロビで育てているのかはわからないと思っています。
というか、著名な大物マクロビ指導者の方々は、少なくとも厳格なマクロビではなく、肉やなんかも食べていたとされていますよね(見てきたわけではありませんが)
もし自分がそうなら、子どもだけに厳格にしていたとはなかなか考えにくいです。
厳格な実践者は、むしろそれを信じている一般マクロビアンの中にいるのではないかと思います。
ある種の宗教と一緒ですね。^^;
パンプキン
2009/08/19 15:05
ヨーロッパの人と日本人とでは体のつくりがそもそも違う上に、昔からの食生活も異なっているのですが、日本人と欧米人のカルシウム吸収率に差はないのでしょうか?
どの人間でも同じ結果でしょうか?
まっしゅ
2010/04/04 06:45
まっしゅさんこんにちは。
日本人と欧米人のカルシウム吸収率に差があるということは、考えられないこともないですね。
どこかに文献はありませんか。

ちなみに、日本人と欧米人の腸の長さが違うという、一般に流布している話はデマのようです。
http://blogs.dion.ne.jp/doramao/archives/8281389.html
個人差があるということは考えられますが(腸の長さの場合は身長差)、それ以上に人種間に差があることはないということですね。

さて、カルシウム摂取ですが、日本人の中で個人差があるということは考えられないでしょうか。
もしあるならば、全員に対して「マクロビは安全だ」とは言い切れないことになります。
あたかも全員に対してマクロビがいい、というような言い方をしている人たちの言うことは個人差の問題が考慮されていませんから、その辺は差し引いて聞いた方がよさそうです。
パンプキン
2010/04/05 15:06

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