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zoom RSS マクロビ論文Cアメリカのマクロビ実践者たち(大人と子ども)のビタミンB12の状態

<<   作成日時 : 2009/05/23 06:29   >>

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Vitamin B-12 status in a macrobiotic community
マクロビオティック社会におけるビタミンB12の状態

今度はアメリカからの報告です。植物性のB12源についての報告が興味深いです。
(リンク先サイト右上のFull textをクリックすると、全文をダウンロードできます)

(内容紹介)

<この研究の目的>

ビタミンB12はDNAの合成に必要であり、赤血球の正常な発達にも必要である。
さらに、メチルマロニルCoAをスクシニル CoAに変換する大切な変換酵素補助因子でもある。

ビタミンB12が不足すると、酵素反応や細胞の代謝が阻害される。長期に渡りビタミンB12の不足状態が続くと、貧血のみならず神経障害や胃腸障害を引き起こす。1)2)

ビタミンB12は動物性食品、卵、乳製品に含まれるが、厳格なベジタリアンはこれらの食物を避けるため、ビタミンB12不足が疑われる。
そこで今回の研究では、アメリカのボストンとミッドタウンに住むマクロビアン(大人110名、子ども42名)を対象に行われた。


その目的は
1)マクロビオティック社会の人々のビタミンB12の状態を測定する
2)ビタミンB12が含まれるとされる植物性の食物(発酵食品、海藻など)の摂取とビタミンB12の状態の関連性を調べる
ことであった。

<結果>
・大人

大人の平均血清中ビタミンB12は150pmol/Lで、ほぼ全員がビタミンB12不足の境界付近にいた。低ビタミンB12状態(148pmol/L以下を言う)の大人は51%だった。
年齢や性差による違いはみられなかった。
血清中ビタミンB12の濃度は、マクロビオティックの実践期間が長いほど低くなっていた。

尿中のMMA濃度(メチルマロン酸濃度:ビタミンB12が不足すると高くなる)が高い大人は30%だった。

乳製品を食べない大人では有意に血清中ビタミンB12濃度が低く、尿中のMMA濃度が高い傾向にあった。

血清中のビタミンB12濃度と、海藻(わかめとこんぶ:ビタミンB12が多く含まれるとされる)の摂取の間には関連がみられなかった。
同様に、テンペ、みそ、その他の海藻(ひじき、あらめ、海苔、ダルス他)の摂取とも関連がみられなかった。

・子ども
子どもたちは血液の採取を避け、尿中のMMA濃度で測定した。
(MMA濃度が高いとビタミンB12不足と考える)

55%の子どもたちがMMA濃度が高かった
MMA濃度と年齢は関係なく、離乳食時からずっとマクロビ食で育った子どもたちの方に多くMMA濃度の高い子(つまりビタミンB12不足の子)がみられた(67% vs 25%)。

乳製品を食べない子どもに尿中MMA濃度の高い子が多かった(70% vs37%)。

大人と同様、テンペ、みそ、海藻の消費と尿中MMA濃度とは関連がみられなかった。

身長の低い子(5パーセンタイル未満:子どもが100人いたら小さい方から5番目よりも小さい子たち)にMMA濃度の高い割合が多かった。

<考察>
マクロビアンのほとんどの大人と子どもにビタミンB12不足またはその境界の状態がみられた

細胞中のMMA濃度が増えることは、ビタミンB12不足から起こり、細胞がMMAをコハク酸に変換する能力がないことを示している。
尿中にMMAが排出されることは、細胞レベルでビタミンB12不足が起こっていることを示す。

マクロビ期間が長いほど血清中ビタミンB12濃度が減少している。これはビタミンB12の蓄積が年月と共に使い尽くされるからと考えられる

長い年月マクロビをやっていてもビタミンB12濃度が高い人がいて、これは長期間やっている人は実践がゆるくなってそれほど厳格にはやっていないことが考えられる。
あるいは長期間実践している人の中には、自家製の発酵食品を作っている人がいることも考えられる
(市販の発酵食品は、品質管理の問題と発酵時間の関係で、ビタミンB12含有が少なくなっている)

比較的実践が短期間でもビタミンB12濃度が低い人は、マクロビオティックな食事を始める前から栄養状態が悪かったものと考えられる。

ほとんどのマクロビアンはときどき動物性食品を食べてはいたが、大人のほとんどがビタミンB12摂取量が推奨される1.5nmol/日に届かなかった。
ビタミンB12摂取量は動物性食品によるビタミンB12摂取と関係しており、マクロビオティックの食事に厳格に従うことが低ビタミンB12状態に起因することを示していた。

乳製品の摂取とビタミンB12状態には関連が見られ、乳製品をとっているマクロビアンはビタミンB12状態が良好な傾向がみられた。

ベジタリアンは身体が小さいということは以前も報告されているが、ビタミンB12不足の子に身体が小さい子がみられるという関連性はこれまで報告がなかった。5パーセンタイル未満の身長の低い子どもには高い尿中MMA濃度(ビタミンB12不足)が見られた。しかし、これらの子どもたちは、成長にかかわるその他の栄養も不足していることが考えられる。
MMA濃度の高い子どもたちが臨床上どのようになるかが懸念される。


<植物性食品のビタミンB12含有量>
前回のレポートではマクロビ食に見られる植物性食品のビタミンB12の測定を行った。3)
その結果、ある種の海藻にはかなりの量のビタミンB12が含まれているとわかった。

しかし、今回の研究では、これら海藻を食べる頻度とビタミンB12の状態との間には関連が見出せなかった
すなわち、動物性食品をほとんど食べなくても、海藻をたくさん食べる人は食べない人よりもビタミンB12の状態がよいということにはならなかった。
その他の海藻、みそ、テンペ、その他マクロビ社会ではビタミンB12が含まれていると多くの人に思われている食品についてもまったくそうしたことはみられなかった。

この結果について考えられることは
1)食事調査に不備があった
2)植物性食品のみをビタミンB12源としている人数が十分でなかった
という可能性もあるが、
3)海藻で測定されたビタミンB12は人体で生物学的活性をもたない
可能性がある。

実際、スピルリナという海藻を調査した研究では、スピルリナ中で実際にコバラミン(ビタミンB12)が含まれる部分はほんのわずかで、残りは人体で生物学的活性をもたない類似体であることを報告している。4)
さらに他の海藻についても、人体における生物学的活性について研究する必要があり、それまでは海藻をビタミンB12源として推奨すべきではない

<参考文献>
※表題の論文は
DR Miller, BL Specker, ML Ho and EJ Norman Vitamin B-12 status in a macrobiotic community. American Journal of Clinical Nutrition, Vol 53, 524-529,

1) ビタミンB12不足によって起こるメチルマロン酸血症について解説したページ
http://pa-mma.web5.jp/frame-mma.html

2)実際にビタミンB12不足のため意識障害で病院に担ぎ込まれた乳幼児の2例(7年、20年ベジタリアンをやっていた母親の子どもたち)(アメリカジョージア州)

Neurologic Impairment in Children Associated With Maternal Dietary Deficiency of Cobalamin―Georgia, 2001
http://www.cdc.gov/mmwr/preview/mmwrhtml/mm5204a1.htm
JAMA. 2003;289:979-980.
MMWR. 2003;52:61-64
(日本語の抄訳が読めますhttp://www.imic.or.jp/mmwr/backnum/5204.html

こちらはオーストラリアからの報告3例。
Grattan-Smith PJ, Wilcken B, Procopis PG, Wise GA.The neurological syndrome of infantile cobalamin deficiency: Developmental regression and involuntary movements. Mov Disord. 1997 Jan;12(1):39-46.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8990052

3)BL Specker, D Miller, EJ Norman, H Greene and KC Hayes. Increased urinary methylmalonic acid excretion in breast-fed infants of vegetarian mothers and identification of an acceptable dietary source of vitamin B-12. The American Journal of Clinical Nutrition. 47 (1): 89-92.1988
http://www.ajcn.org/cgi/content/abstract/47/1/89
(ネットで全文が読めます)

4) Herbert V, Drivas G. Spirulina and vitamin B 12. The Journal of Americal Medical Association. 248(23):3096-7. 1982 Dec 17;
(ネットに本文は見つかりませんでした)

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