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<<   作成日時 : 2009/05/31 00:17   >>

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ベーガン(菜食主義者)にとって、ビタミンB12源として信頼できるものは何か?
という非常に興味深い論文レビューを見つけた。1)
ベーガンの栄養士さんが書いているのが興味深い。

ネットでは「海苔を食べていればいい」みたいな文章に出くわすが、それは誤った情報のようである

http://www.veganoutreach.org/health/B122002.pdf
(上記リンクをクリックすると全文が読めます)

早速内容紹介。
<ビタミンB12は正しい方法で測定しなければならない>

論文Bにあるように、マクロビ社会でビタミンB12が含まれていると信じられていた食品(テンペ、しょうゆ、たまり、麦みそ、米みそ、豆腐、他の発酵食品(甘酒、梅干、ザワークラフト)、全粒穀物には、ビタミンB12が検出されなかった

こうした混乱はなぜ生じるのかというと、測定法の違いからである。

これまで、ビタミンB12の測定には微生物学的測定法というものが用いられていた。
この方法は、食べ物をある種のバクテリアに与え、どれだけバクテリアが成長するかを見る方法である。しかし、人体ではビタミンB12として働くことができない不活性型のビタミンB12でも成長するものが多いため、この方法は信頼できない
植物性食品には不活性型ビタミンB12を含むものが多い。

にもかかわらず、多くの検査機関、とりわけ個人会社の検査機関では依然としてこの方法が用いられている。それはビタミンB12を含んでいると称して製品を売るためである。

他にもいくつか方法がある。
放射定量法(別名「結合タンパク競合測定法」)も今まで用いられていたが、今では不活性型も測定してしまうことがわかっている。
Ochromonas malhamensis法、ろ紙クロマトグラフィーは上記2つの方法よりは比較的信頼できるものである。

しかし最も信頼がおける測定法はヒトにその食品を与え、その人の尿中メチルマロン酸(MMA)値が下がるかどうかを見る方法である。
MMA値が下がれば、その食品はビタミンB12源とみなしてよいことになる。
(あるいは、大赤血球性貧血の人にその食品を与え、貧血が改善されるかどうかを見ることでもよい。ただし、この方法は葉酸の存在により混乱することがある。
また、赤血球に対し活性のあるビタミンB12が神経細胞に対しては不活性である、ということもありうる)

残念ながら、最も信頼のおける、このMMA値を見る方法で食品を測った研究はこれまでにひとつしかなく、それは日本で行われた乾燥海苔と生海苔の研究である。2)
その結果、乾燥海苔の摂取はMMA値の状態をさらに悪化させていた
これは海苔を食べると人体にある(活性型)ビタミンB12をさらに減少させ、B12欠乏症の人々に害を及ぼす可能性があることを示している。
(詳しくは後述)
生海苔はMMA値をほぼ同じくらいに保った。これは、生海苔を食べるとビタミンB12状態を悪化させはしないが、改善もしないことを示している。

<テンペ、大豆発酵食品その他の植物性食品のビタミンB12>

(以下、具体的なデータは上記リンクから見ることができます)

長いこと、植物性食品がビタミンB12源になるという誤解が伝えられてきた。
このほとんどが、ビタミンB12の類似体を測定してしまった方法からきたものである。
あるいは、別のバクテリア汚染が起こったことからもきている。
@B12類似体が検出できなかった食品(放射定量法)
甘酒、麦みそ、みそ、納豆、米みそ、しょうゆ、たまり、梅干、各種果物、各種野菜、ナッツ、種、穀物

以上については、いくつかの研究でB12類似体は含まれていないことがわかっている。
よって活性型B12も含まれていない

Aいくつかの研究でビタミンB12類似体が検出された食品(放射定量法)
(上記リンクから表A.2を参照)
納豆、大麦の麦芽シロップ、サワードウで作ったパン、パセリ、しいたけ、乾燥納豆、豆腐、みそ、しょうゆ
ほとんど含まれていないか、あっても微量である。
この量では、これが不活性型ビタミンB12であれば大して害を及ぼさないが、活性型ビタミンB12だとしても供給源にはならない。
よって、これらの食品は、ベーガンのビタミンB12状態を悪化も改善もしない。

Bテンペ(放射定量法)
(上記リンクから表A.3を参照)
長いことテンペはビタミンB12源だとされてきたが、オランダと米国の測定ではほとんど検出されなかった。
しかしタイでの測定では、両国より多くのビタミンB12類似体が検出されている。
欧米の市販のテンペ作成に用いられるK.pneumoniaeというバクテリアはビタミンB12類似体を生成し、それが活性型だと考える学者もいる。8)
タイで検出された類似体が上記のバクテリアによるものと同じかどうかは不明である。タイのテンペにK.pneumoniaeが用いられていなければタイの測定値はバクテリア汚染によるものと考えられる。
欧米のテンペは含有量からしてビタミンB12源とはならない。
タイのテンペも、MMA値を下げることが示されない限り、ビタミンB12源とみなすべきではない。

<海藻のビタミンB12>

@アラメ、ダルス、ひじき、ケルプ、昆布、わかめ30gあたりのビタミンB12含有量。
(放射定量法)
(上記リンクから表A.4.1を参照)
30gというのは大量で、通常一回で食べられるのは3gほどである。
また海藻はヨードが多く、大量に摂取すると害になる場合がある。
よって、大量の海藻を摂取することは勧められない。


この中で最も期待のもてそうなのはダルスであり、3g中に0.3〜0.39μg含まれている。
ただしこの測定法では、不活性型も含まれるため、ダルスがMMA値を下げることが示されない限り、活性型ビタミンB12源とみなすべきではない。

ASBGA(スーパーブルーグリーンアルジー)
Cell Tech社その他数社が販売している、オレゴン州クラマス湖でとれる海藻。

この会社はSBGAには活性型のB12が含まれると主張しているが、この会社の試験法ではLactobacillus leichmanniiを用いており、これはB12以外のコリノイドも測定してしまう。
よって、ここで言えるのは、この会社のSBGAにはまだ活性かどうかわからないB12の類似体が含まれているということだけである。

Bクロレラ
(上記リンクから表A.4.3を参照)
さまざまなクロレラについて測定を行ったが、B12類似体が検出されたのは試験方法のエラーによるものだった。つまり、測定可能な量は検出できなかった。
おそらく抽出方法が適切ではないのかと思われた。
また、クロレラを培養する合成培地がB12類似体の合成を妨げている可能性があると思われる。

Cスピルリナ
(上記リンクから表A.4.4を参照)
スピルリナは多様なB12類似体を含んでいるが、その多くが不活性型で、人体のB12活性を阻害する可能性がある。

D海苔
放射定量法でさまざまなタイプの海苔について測定したところ、かなりの量のB12類似体が検出された。
(上記リンクから表A.4.5.1を参照)
ろ紙クロマトグラフィーで測定した研究もひとつあり、活性型B12が含まれる可能性を示した。
しかし山田らの、生海苔と乾燥海苔のMMA値を測定した研究はそれを否定するものである。2)
(上記リンクから表A.4.5.2を参照)

山田らの研究では、生海苔は収穫後48時間以内に購入したものを用い、乾燥海苔は店で購入したものを用いた。
10人の非ベジタリアンの被験者を用い、MMA値がどう変動するかも調べた。
その結果、乾燥海苔を食べた被験者はMMA値が77%上昇し(ビタミンB12が減少したことを示す)、生海苔を食べた被験者はMMA値が5%上昇した。

この結果が示すことは、生海苔のビタミンB12は、乾燥の過程で有害な不活性型B12に変わり、乾燥海苔はビタミンB12の状態を低下させるということである。

山田らの結論によると、乾燥海苔はビタミンB12源にはならないが、少量であれば害にはならない。しかし、生海苔は真のビタミンB12源になるとしている。

しかしながら、この結論には疑問が残る。
確かに生海苔を食べてもMMA値は大幅に上昇はしなかったものの、5%上昇はしている。
つまりこの研究が示していることは、生海苔には害になるほどの不活性型ビタミンB12が含まれていないということだけで、有益であることの証明にはなっていない。

さらにこの研究では、MMA値の差をみるために、被験者の食事にバリン(体内でMMAに変換されるアミノ酸)を加えており、MMA値を意図的に上げている。
海苔を食べていないときはバリンはMMA値を上げなかったようであり、対照群もとっていないため、さらにこの研究結果の解釈が難しくなっている。

E円石藻類
(上記リンクから表A.4.6を参照)
これは日本でカルシウムサプリメントとして用いられている海藻である。
これは液体クロマトグラフィーで活性型ではないかと思われている。
この海藻は、さらに人体でMMA値を下げるかの研究をするだけの価値がある。

<人体における植物性B12源の研究>
アメリカの研究では、マクロビを実践している大人や子どものB12状態はわかめ、こんぶその他の海藻、テンペを食べても変わらないことがわかっている。3)

オランダの研究では、ビタミンB12の欠乏による貧血をもつマクロビの乳幼児(生後14ヶ月〜26ヶ月)に、放射定量法でB12類似体が含まれるとされる食品を与えた。
1日に0.1μgのB12を摂取するだけで1ヶ月後には改善するはずだったが、4〜6ヶ月後、この乳幼児たちのB12値は上昇したが、貧血はさらに悪化した。4)
(上記リンクから表A.5.1を参照)

これについて考えられることは、海苔、スピルリナ、昆布には人体で活性をもつB12が含まれていないか、不活性型のB12が多く含まれているために活性型のB12を打ち消してしまい、全体としてマイナス効果になっているかのどちらかだ。
その結果、研究者は「海藻その他の植物性食品をビタミンB12源として提唱するのは不当である。なぜなら生物学的活性が疑問視されているからだ」としている。

最近の研究では、生後6ヶ月〜16ヶ月の乳幼児には一日に0.3μgのビタミンB12摂取では、ビタミンB12欠乏症を防ぐには十分でないとされている。5)

別のアメリカの研究では、ビタミンB12欠乏の乳幼児のマクロビ母が食事に海藻と発酵食品を増やして、子どものMMA値が下がったとしている。しかしこれは後に、マクロビ実践をしている母親が魚やあさりのスープを食べていたことがわかり、おそらく海藻や発酵食品よりもこちらの方が改善に貢献したものと思われる。6)

日本の研究では、玄米菜食の6人のベーガンの子どもを対象に、B12値を測定している。7)
子どもたちは毎日乾燥海苔2〜4gを食べており、ひじき、わかめ、昆布もとっている。
野菜は有機栽培で多くはコバルトを多く含む食事である(そば、小豆、いんげん豆、しいたけ、ひじき)。
(上記リンクから表A.5.2を参照)
6人のベーガンと4人の対照群との間にB12値の有意差は見られなかった。
しかしMMA値とHCY値(ホモシスティン値)は測定されなかった。
著者はベーガンがビタミンB12を@海藻、A肥料による汚染B母の体内の蓄えから得ているとしている。

彼らのB12値は不活性なB12の類似体であるということで容易に説明がつく。しかし8歳の子どもが強化食品やサプリメントなしで元気でいるということは驚くことである。
しかしながら不幸なことに、多くのベーガンの子どもがそのように幸運なわけではないので、こうした子どもの食生活についてはっきりしたことがわかるまでは、この研究は未解決の謎として扱うべきである。
もし自分の子どもだったら、健康のために少なくとも控えめな量のB12サプリメントをとるようにするだろう。

<結論>
以上、調査した食品の中では、インドネシアとタイのテンペ、生海苔、円石藻類のみがB12源としてさらに研究するに値するものであった。
これらの食品がB12欠乏症を改善することが示されるまでは、ベーガンはB12源としてこれらの食品に頼るべきではない。

1)Jack Norris, Registered Dietitian Director, Vegan Outreach
Vitamin B12: Are You Getting It?
http://www.veganoutreach.org/health/B122002.pdf
この著者は
http://www.veganhealth.org/
Vegan Health Org.というベーガンのための健康情報サイトを運営している。

2)YAMADA K., et al. Bioavailability of dried asakusanori (Porphyra tenera) as a source of cobalamin (vitamin B12). International journal for vitamin and nutrition research. vol. 69, no6, pp. 412-418 (26 ref.) 1999
http://cat.inist.fr/?aModele=afficheN&cpsidt=1239608

3)DR Miller, BL Specker, ML Ho, and EJ Norman. Vitamin B12 status in a macrobiotic community.The American Journal of Clinical Nutrition 1991; 53: 524-9.
http://www.ajcn.org/cgi/content/abstract/53/2/524

4)21. Dagnelie PC, van Staveren WA, van den Berg H. Vitamin B-12 from algae
appears not to be bioavailable. Am J Clin Nutr 1991;53:695-7.

http://grande.nal.usda.gov/ibids/index.php?mode2=detail&origin=ibids_references&therow=282328

5)Food and Nutrition Board, Institute of Medicine. Dietary Reference Intakes
for Thiamin, Riboflavin, Niacin, Vitamin B6, Folate, Vitamin B12, Pantothenic
Acid, Biotin, and Choline. Washington, DC: National Academy Press; 2000.
http://www.nap.edu/catalog/6015.html(書籍)

6)Specker BL, Miller D, Norman EJ, Greene H, Hayes KC. Increased urinary
methylmalonic acid excretion in breast-fed infants of vegetarian mothers and
identification of an acceptable dietary source of vitamin B-12. Am J Clin Nutr
1988 Jan;47(1):89-92.
http://www.ajcn.org/cgi/content/abstract/47/1/89
(全文が読めます)
7) Suzuki, H. Serum vitamin B12 levels in young vegans who eat brown rice.
J Nutr Sci Vitaminol 1995;41:587-594.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8926531

8) Albert MJ, Mathan VI, Baker SJ. Vitamin B12 synthesis by human small
intestinal bacteria. Nature 1980;283(Feb 21):781-2.
http://www.nature.com/nature/journal/v283/n5749/abs/283781a0.html

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