マクロビオテック初心者

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zoom RSS 健康情報のウソ・ホント〜その2〜

<<   作成日時 : 2009/02/08 02:21   >>

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さて、反ベジタリアンの本について書いたが、ではマクロビの本はどうだろうか。
マクロビは科学ではないのだが、データや資料に基づく本というものもある。
そのひとつが久司道夫の『THEマクロビオテック』という分厚い本だ。

久司先生は法学部と経済学部出身のようで、もともと医学や科学には無関係な人のようだ。
その久司先生が書いている、一種の「マクロビ医学書」である。

前回コレステロールの話が出たので、高コレステロールの項についてみてみよう。

「高コレステロールは・・・(中略)心臓疾患の引き金となる主要な危険要因である。
アメリカ人の平均的なコレステロール値は200〜300mg/dLとされる。
・・・(中略)(マクロビを実践すると)コレステロール値の平均が126mg/dLに低下し、事実上、この数値で心臓疾患が起きることはない」

なるほど、マクロビでコレステロール値が下がることは確かにその通りだと思うが、低コレステロールの危険性については一切書かれていない
つまり、心臓疾患が起きないことは確かだとしても、もともとコレステロール値の低い日本人がさらに下げて、心臓疾患以外の病気が起きる可能性についてはまったく触れられていないわけだ。

ある種の情報を抜くこと自体は、嘘をついているわけではない。
意図的なのか、それとも著者が低コレステロールが危険だということを知らなかったのかはわからないが、読む側にとっては同じことである。読者は、書かれていないことがある可能性についても、考えてみる必要があると思う。

やはりマクロビはアメリカの食生活に対するアンチテーゼとしての役割が大きく、普通の食生活を送っている日本人が取り入れるには、注意が必要なのだと思う。

次に「先天性欠陥」についての項を見る。(「欠陥」って言い方もアレだと思うが・・)

「先天性欠陥は、主に妊娠期間中の母親の食事内容の不均衡や栄養不足によるもので」

このあたりはこんなことを言っているのはマクロビの人くらいで、医学的にはすごく目新しいことを言っていることになる。
たとえばうちの子のダウン症を起こす染色体不分離の原因についてはまだ解明されておらず、偶然としかいいようがないことになっているのだ。
しかし先天性欠陥が妊婦の食生活によるものだというセンセーショナルな説を挙げているにもかかわらず、それについてはなんの研究結果もデータも書かれてない。研究されている形跡もない。
つまり、ただ、(直感に基づいて?)断言されているのである。

誰だって妊娠中はつわりで食生活が偏りがちで、ジャンクなものが食べたくなったりする。
それで先天性の欠陥のある子が生まれてくれば、食生活のことを言われて心当たりのない妊婦はいないだろう。
「そうだったのか、食生活がいけなかったのか」と思ってしまいがち。

でも待って。
妊娠中食生活が偏っていたのに先天性の欠陥のある子が生まれなかった95%以上の例はどうなるの?

2〜3例あてはまるからといって真実にはならない。
またまた血液型のことを持ち出すと、「A型の人には先天性の欠陥のある子が生まれやすい」といったって、それなりの数のデータがそろえられる。
そうではなく、「妊婦の偏った食生活(これもかなりあいまいな表現だが)と先天性欠陥(これもかなり大雑把な表現だが)の因果関係」について論じるべきなのである。

ここでは妊婦の食生活とそういった子どもの出生率についての相関関係についてすら書かれていない。そういった調査はされていないのだろう。

さらに、同じ先天性欠陥の項の「医学的研究成果」というところを見てみる。
症例には、マクロビで心臓欠陥のある乳幼児の手術が避けられた、とするものがある。

この手の書き方は健康食品の宣伝によく使われるので注意が必要だ。

うちもこの子と同じ心房隔膜欠損があった(つまり心臓に穴があいている)。心臓手術をする必要があると言われていた。
しかしこういう穴は自然にふさがることがよくあるのだ。
何もしなくても自然にふさがった子どもはたくさんいる。
うちの子も自然にふさがった。この子と同じ「小さい穴」だったからだ。

ふさがったのは粉ミルクだけを飲んでいた時期だから(私はどうやっても母乳の出ないタチなので)私のゆるゆるマクロビのおかげでふさがったのでないことは確かだ。

我が子の心臓の穴がふさがったと知ったときはとても嬉しかったので、もし私が厳格にマクロビを実践していてその母乳を飲ませていたら、そのおかげでふさがったと思ったに違いない。
また、この子が生まれてまもなく、霊感商法の人に水晶玉を買うように勧められたのだが(もちろん断った)、もし買っていたら、水晶玉のご利益だと思ったかもしれない。

ではなぜ久司先生は「マクロビによって」手術が回避されたと書いたのだろう。
マクロビが理由となったその根拠は。そのメカニズムは。

このように「症例」というものには落とし穴がある。
「マクロビをやっており、かつ改善した人」をひとりあげればよく、マクロビをやっていたにもかかわらず改善しなかった多くの人々についてはまったく言及しなくてよいからである。
たとえマクロビをやっている子どもに心臓の穴がふさがった割合が多いという相関関係が出たとしても(今のところそんなデータはないが)、それだけでは両者に因果関係があることにはならないのは、冒頭の足の大きさと語い力の例でも明らかだ。

たとえば私が小麦粉に水を混ぜてつくったものに「アクロポリスA」とかいう名前をつけて売り出し、それを飲み続けた子の中に心臓の穴がふさがった子が2〜3人出てくればそれで「小麦粉で心臓の穴がふさがった症例」とすることも可能なのだ。

結果としてこの手のデータは(特に効果をうんぬんとするものについては)なんの意味ももたないといってよい。

(上記で言っていることは、マクロビには健康増進に効果がないということではありません。挙げられているデータが説得力のないものだということです)

*  *  *
私は科学万能主義者ではない(宗教も信じているし)。
だから科学的でないものはすべて信用できないなどというつもりはない。

私がここで書きたかったことは、データを提示することによって相手を説得しようとするならば、そのデータは意味のあるものでなければならないし、データを見た結果相手を信用するならば、そのデータがきちんとしたものであるかどうか判断しなければならないということなのだ。

世の中には相反する情報がたくさんある。
いわゆる「正しい食生活」についても、今回の「正しい老人食」についての反マクロビ的な見解のように、相反する意見を専門家と言われている人たちが言っていたりする。
するとどれを信用したらいいのか、ということになる。
データの読み方を知ることは武器になると思う。
データをきちんと読み、信憑性のあるデータなのかどうかを判断することである程度淘汰されるだろう。

マクロビをやっている人たちは「自分の身体の声を聞け」という。
それもひとつの大事な手だと思う。
私の決め手は実は「相手の人間性が好きかどうか」だったりするのだ。(笑)
(嘘をつきそうな人か、相手を言いくるめようとしている人かどうかということも含め)
100%自分が正しいような物言いをする人の説は、私はあまり信用していない。
誠実な人間ならば、「自分は間違っているのではないか?多くの人を惑わす結果になるのではないか?」と、自分が広めている説の影響力に恐れおののくはずだと思う。
そして、本当に正しいかどうか、多くの人を間違った方向に導いていないか、もっと探ろうとするはずだ。
自信満々な人は、その誠実さに欠けていると個人的には思う。

*  *  *
ある科学ジャーナリストの人のサイトに、テレビに出てくるいわゆる専門家の中で信用できる人と信用できない人を見分けるにはどうしたらいいかということが書かれていた。

http://blog.goo.ne.jp/wakilab/m/200812

つまり、テレビに出てくる学者や専門家だからといって、全員信用できるわけではないこと、視聴者がそれを見分けるのは難しいことだけれど(視聴者には専門家ほどの知識がないから)、簡便な手段として、「単純な話は疑おう」ということが提案されている。

「こうすればダイエットできる」「○○は危険」というような単純明快な話があるわけない、ごくごく常識的な感覚として、そう思うのが大事だ、と書かれている。

肝に銘じておこう。

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